アビー・グリフィン、レイモンド・L・プライス、ブルース・A・ボジャック, シリアル・イノベータ「非シリコンバレー型」イノベーションの流儀, プレジデント社, 2014.

シリアル・イノベーター ─ 「非シリコンバレー型」イノベーションの流儀は、知り合いに勧められて購入し積ん読状態になっていたが、自分が最近悩んでいることの答えが見つかるような気がして、最近ようやく読み始め、2日かけて読み終えた。もう少し読み込めば、もうすこし、わかることも出てくるような気がする。

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Esther Perel, Rethinking Infidelity, 浮気についての考察, TED Canada

"Rethinking infidelity ... a talk for anyone who has ever loved"というタイトルのTEDトーク.私は今まで知らなかったがEsther Perelという何度かTEDで話している方のようだ.

Mating in Captivityという書籍も出している.こういった研究が日本でもされているのかは知らないけれど,言っていることがとてもバンラスよく,前向きに生きるためにも必要な知恵を提供してくれた.

www.ted.com

 すごく本質的なことも言っているのだけれど,気になった点を紹介.

hookup, a love story, paid sex, a chat room, a massage with a happy ending.

浮気ってなんのこと?といって,色々挙げてる.そう,旧約聖書だと考えただけで浮気だもの.

Men cheat out of boredom and few of intimacy, women cheat out of loneliness and hunger for intimacy.

一般的な傾向としてというレベルだろうが,きっかけは異なることを男女は理解すべきなんだと思う.

one propel people cross the line, and that some affairs are an attempt to beat back deadness, affairs are way less about sex, and a lot more about desire- Design for attention, desire to feel special. desire to feel important. 

Esther Perelさんは,浮気した,されたからといって,そこで終わりになるわけではないことを主張しており,その後絆が深くなったり,より理解し合える良い関係ができたりするという浮気の利点(?)にも言及されていた.

 

ジョセフ・ジャウォースキー, シンクロニシティ, 英治出版, 2007

シンクロニシティ[増補改訂版]――未来をつくるリーダーシップは、積ん読状態になっていたものを,仕事上の知りあいから改めて勧められて読んでみたもの。 一般的なビジネス本だと思って読み始めて驚かされた.物語形式となっているが,どちらかというとビジネス書よりもスピリチュアル系にカテゴリーされてもおかしくない内容だからだ.ただ,私個人に複雑な糸が絡み合いまさしくシンクロニシティが発生しているような状況にあったからこそ,最後まで読み進めた.最後に書かれているように,ビジネス書を普段読む人で,なにか現在の模索中で手がかりが得られるかもしれないと思う人だけが最後まで読むのだと思う.

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小林 弘人, ウェブとはすなわち現実世界の未来図である (PHP新書), PHP研究所, 2014.

ウェブとはすなわち現実世界の未来図である (PHP新書)は、仕事上の知りあいから勧められて購入してみたもの。

「現実世界のほうがウェブで培われた思考様式、心理状態をコピーしていく」として、今後、ウェブ的な思考法・視座が必要となると説く。今の世界では、旧来の世界にはなかった迅速かつ柔軟な対応、また創造的思考が不可欠であり、それを進めるには、「ウェブ的な思考法・視座が必要となる」ということらしい。また、「人間中心主義」がその世界では重要な視点となるとする。

扱われている内容は、個人的には、あまり新しい視点という訳ではなく、特に、「ウェブ的な思考法・視座」、や「素敵に」など、使われている言葉には、違和感を感じるものが少なくなくて、読みながらなんか違うんじゃないかなとモゾモゾする感じが、ずっと消えなかった。

「ウェブ的な思考法・視座」= 新しいアイディアが生まれてから実現するまでの速度と可能性を殺さず、いかにそれを大きく育てるかという方法論やものの見方

ただ、自分が今まで言ってもなかなか「サービスの中心をテクノロジーではなく人間から捉える」とか、「創造性の必要性」とか、「共創の必要性」とか、「枠を外れる思考」など、腑に落ちて感じてくれなかった方が、この書籍を読んで、理解出来ました!とのコメントともに、示唆に富んだ意見を下さったので、それなりのグループの人たちには、新たな視点を提供するものなのだろう。

どのあたりがお薦めか?

1.今の状況が問題であるということを明確に指摘している。特に「上司説得型マーケティング」という言葉で示されている現在のメーカを代表とした日本企業の問題点が明らかにされている。

(「上司説得型マーケティング」とは)つまり、決断すべき上司が決断しない。なぜなら責任をとりたくないからだ。だから、「お前の企画は市場が見えない。あるかもしれないが、いまはみえない。いま売れ筋のアイディアをもってこい」となる。そう直言しなくとも、その態度を受けて部下は他社のヒット商品に似たアイディアを出すことを余儀なくされ、モチベーションも低下するとという負のスパイラルに突入する。隠して横並びの製品やサービスが商戦にあわせて繰り返し、市場に投入されるのだ。

2. 特に、ウェブに詳しくない人、現在のGoogleの動向に詳しくない人にもわかりやすく、これから世界市場で企業が生き延びるために必要な視点が示されている、...ようだ。

シェリル・サンドバーグ,リーン・イン, 日本経済新聞出版社,2013.

LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲は,好きな雑誌であるCOURRiER Japon (クーリエ ジャポン) で,過去数ヶ月にわたって関連記事が掲載されていたことから知った書籍.COURRiER Japon (クーリエ ジャポン) の記事では,この書籍により,全米で母である女性の「働く」と「子育て」に関して議論が巻き起こっていることが,数ヶ月にわたって報告されている.一連の記事からは,筆者であるフェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグは,女性から袋だたきにあっているようなイメージを受けたし,多くの女性が(おそらくきちんと書籍を読まずに)シェリル・サンドバーグの主張に対して反感を買ったように,私も,頭脳明晰でよい仕事があり,また裕福であるシェリル・サンドバーグ氏が執筆したものとして書籍の印象もそれほど良くなかったので,日本語版の発売を知っていたけれど読んでみようと思っていなかった.帯に「FacebookのCOOが書いた全米ベストセラーの話題作」と書かれていて,なんだかぼやかして書いているなー、と思っただけだった。

でも,実際に読んでみて,イメージが覆されたのです.仕事と子供の選択で悩んでいる人。将来の結婚や子供を考えて、新しい仕事に取りかかるのに躊躇している人(!!)、シェリル・サンドバーグを知らないのに,なんだか反感を持っている人に読んでみてほしい。

どのあたりがお薦めか?

1.シェリル・サンドバーグにエンパシーを感じられる。シェリル・サンドバーグは,全てにおいて順風満帆に進んできたわけではないし,それぞれの段階で多くの失敗をして,現在の立場を築いている.全米で議論になったという仕事か家庭かという二項対立を助長する主張をしているわけでもなければ,今まで社会的に成功した女性にありがちであった女性により厳しい女性というわけでもなさそうだ.

2. 今後、一歩前向きに物事に対処できそう。とりわけ私がシェリル・サンドバーグに好感を持ったのは,男性のように振る舞うのではなく,女性として振る舞う必要があるという指摘に対して(これを言うのってかなり勇気がいる)。理論の根拠に研究結果などを示しているのだが、女性が相手だとわかると、男性も女性も(!!)判断基準が変わるんだそうだ。これは、感覚的に理解していたが,科学的にも実証されていることを示している。判断基準が変わるのだから、女性が男性と同じように対処しようとしても,評価は下がるだけ。

女性は2つのことを上手に組み合わせれば,望みの結果を得る可能性をたかめられるという。一つ目は,相手に好印象を与えること、他人に気遣いを示すこと「世間の期待にふさわしく」女性らしく振る舞うことだ。ビジネスライクで直截な物言い(たとえば「私はこれこれの条件をもとめます、自分がそれに値すると確信しています」など)には、拒絶反応を示される可能性がある。(pp. 67)

3. 社会として目指す点が少し明らかになっている。家を重視するという立場を否定している訳ではないし,同時に,本書の主張の一つでもある「社会的に成功して影響力を持つ」ということは,現在の停滞した女性の社会進出に確かに有意義のように思われる。デンマークが変わったのだって、女性が社会的に重要な地位につき始めたからだ。

デンマークやその他の北欧諸国との比較で米国および日本の女性進出を見てみると非常に興味深い。シェリル・サンドバーグが主張している「女性が社会的に成功して影響力を持つ」ことで社会が変わる、が既に70%程達成されている社会が、北欧だと思うから。周りを見てみると、法律や人々の認識が女性にも優しく、より平等に変わっているのは、女性が声を上げて、社会的に成功した女性が増えてきているからなんだろうと思える。ただ、2点不可解なことがある。
1.デンマークの男女の収入の差は,いまだに縮まらないし、企業トップは相変わらず男性優位。
2. 男性のような女性が多い。つまりシェリル・サンドバーグが言う、女性として振る舞ってうまく社会的立場を得た女性は、社会的に見て、それほど多いようには思えない...。

これも、今後変わっていくのだろうか?

森巣博,越境者的ニッポン, 講談社現代新書,2009.

越境者的ニッポン (講談社現代新書)は,森巣氏の社会の見方,日本批判に関心があったことから,読んでみたもの.2009年に出版されたものだが,自分自身でもおかしい...?と思っていた点などを,その理由を含め明確に述べています.

教育とはどうあるべきか.また,現在の日本のメディアのふがいなさについて.メディアは,正義のメディアの名をかたった集団リンチを行っている....本当に,日本のメディアが第三の権力になるのは、いつのことなんだろう.

ある年齢をすぎると,絶対的知識量が不足している子どもたちは,全体主義者となる。他の子どもがやることをやりたがり,....放っておけば全体主義社となってしまう子どもたちを,言葉は悪いかもしれないが,社会を社会足らしめたる論理で少しずつ「矯正」していくのが,教育の重大な役割の一つではなかろうか,と私は考える.ところが異質な者,異物たちを排除することによって,「純な社会」の構築を目指す人たちも,また存在する.ごくごく簡単で大胆な私の分類法を用いれば,前者が多元主義と呼ばれる立場で,後者が原理主義と呼ばれる立場である....多元主義の立場では,足が二本未満の人の存在を受け入れる.ただしこれは「寛容」するのではなくて「認知」する...だれだって他人から自分のことを「寛容」なんかされたくない.(p61)

学校教育の目的のひとつは,明らかに生徒に"Self Esteem"を持たせることだ, ...(p62)

世間を怖がってはいけませんよ.常識って,多数者が持つ偏見のことです.自分の信念に忠実でありなさい.そして一度始めたら,簡単に引き下がっちゃいけませんよ.そう教えるのが教育であり,身をもってそれを示すのが,理想の教師像だと私なら考える...(p74)


ティナ・シーリグ,20歳のときに知っておきたかったこと,阪急コミュニケーションズ,2010年

20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義は,だいぶ前に切り抜いた新聞 記事をもとに読んでみることにしたもの.もう,20歳はだいぶ前にすぎてしまったけれど,何か得るものがあるかと考えて読んでみることにした.

得るところはあったが,正直,あまりピンとこなかった.ピンとこなかった理由として,聞いたことのある逸話が多かったこと,自分で既に感じていたこと(常識にさからう,ルールを破る,機が熟することなどない,失敗せよ)がほとんどであったことが多かったからだろう.この書籍を大学に入学する前に読むのは,おすすめだ.

自分なりの「異質な方法」を取る,これは心にとどめておこう.

印象に残った箇所

...人間は二つのタイプに分かれることがわかってきました.自分のやりたいことを誰かに許可されるのを待っている人たちと,自分自身で許可する人たちです.(p72)

この本の物語で伝えたかったのは,快適な場所から離れ,失敗することをいとわず,不可能なことなどないと呑んでかかり,輝くためにあらゆるチャンスを活かすようにすれば,限りない可能性が広がるということでした.(p214)

成長している間は,成長を維持するために,昨日と同じことをよりよくすることに注力すれば良かった.だから学校教育もそれに対応するようにできていて,私たちは小学校の頃から解答が一つしかない問題を何千何万と解いてきました.誤解の内容に付け加えると,この方法が悪い訳ではありません.問題が明確で,正確で連続的な作業が要求される場ではきわめて有効で,これはどんな時代でも必要な能力です.
ただ,成長が停滞している.あるいは衰退している時に,昨日と同じことをしていたらどうなるでしょうか?そのまま停滞,衰退しつづけるだけです.そこを打破するには,学校で教えてもらった能力の上にさらに新しい能力を身につける必要が出てきます.(p228)