Adrienne Mendell、女性(あなた)の知らない7つのルール―男たちのビジネス社会で賢く生きる法、1997.

女性(あなた)の知らない7つのルール―男たちのビジネス社会で賢く生きる法は、勝間和代氏(私も勝間和代氏をかるく紹介しています。)が紹介していて興味を持った本。すべての女性に役に立つとは限らないと思うのだけれど、ビジネスの世界にいる者でなくても、なるほどと思わせられる点がいくつかあったので紹介したいと思います。中でも以下は、なぜ、男社会のルールを知るべきかという、女性(あなた)の知らない7つのルール―男たちのビジネス社会で賢く生きる法の主要なメッセージをうまくまとめてます。

いかなる組織にも、所属する人のあいだだけで通じる文化や眼に見えないルールが存在することと深く関係している。新参者は、いくら優秀でもそれを知らないため簡単にルールを破ってしまうことがある。ビジネス社会での女性全般の立場が今まさにそうした状態にあると言えるだろう。

ビジネスは現状では男性中心のゲームであり、そこで成功するには、そのルールを知るべきだというのが中心のメッセージです。将来はわからないにしても、今は、相手は違ったように物事を見て、取り組み、解決策を生み出しているのであれば、その違いを知る(敵を知る)ことがまず解決(勝利)の第一歩であるのですね。

知っておくべき男社会のルール

私が、特に気になったルールのいくつかを挙げておきます。

1.「プロとして貢献する(ルール2自分を強く見せるより)」
世界級キャリアの作り方でも示されていたように、プロとしての自覚を持つことが、先ず何よりも大切です。最終的に誰かが助けてくれるという考えを持っていると、直ぐに見抜かれます。たとえまだ未熟でも、未熟なりのプロとしての行動が求められます。


2.「自分プレゼン力(ルール全体から)」

特に、仕事開拓のルール(p68)は、眼から鱗の新発見でした。私の周りに入る人も、成功している人は、世間話の中に、うまく自分が何をやっているか相手に伝え、必要なときには適切なアドバイスをもらい、適切なアドバイスをあげています。何かが起こってから動くのではなく、自分に関する背景知識を前もって継続的にプレゼンしていくことが必要なのだと思います。

「夫も私も弁護士をしています。一緒に通っている教会で出会った知り合いが弁護士を必要としたとき、私ではなく夫を選びました。最初は女性差別かなと思ったんですが、実はそうではありませんでした。私が世間話をしている間に、夫は仕事に関する話をしていたのです。...」彼女いわく、以下の4つの単純な目標さえ覚えておけば、仕事を開拓するのは簡単だという。
1.人から理解され、好感をもたれること。
2.人にあなたが何をしているか知らせること。
3.人にあなたがその道のプロであると知らせること。
4.人にあなたが仕事を請けたがっていると知らせること。
...まずは、身近な人に、あなたの能力のすばらしさを知らせること。学校や教会など、現在所属しているグループにもビジネスチャンスはあるかもしれない。仕事に友人を利用したくないと考える女性もいる。しかし、相手を喜ばせるよう気をつければ問題はない。友人の中には、あなたが提供するようなサービスを探してる人もいるだろう。そして、誰に頼むべきか悩んでいるかもしれない。見ず知らずの相手を探すより、あなたと仕事ができたほうがいいではないか。


最後に、女性(あなた)の知らない7つのルール―男たちのビジネス社会で賢く生きる法の後半は、いかにも「90年代の頑張っているアメリカ女性」の姿が眼に浮かぶようで少々食傷気味になるのが残念です。