ゴクミ、後藤久美子、講談社、2009

ゴクミは、後藤久美子さんの2000年からの雑誌連載の記事を写真と共に振り返ったもの。きれいなゴクミの写真が沢山で、目の保養、今後の自分磨きに役立ちそう。写真を見るだけで、彼女のそのときの心境や環境が見えてくるようで、文章の読みやすさもさることながら、興味深い著作でした。

今、フランスで生活している日本人やフランス人と結婚をした日本人は、メディア露出的にも増えてきているようで、以前紹介した日仏カップル事情など、数え上げたらきりがないですね。その中で、ゴクミはその他のフランス在住人たちと一線を画す、オーラを醸し出しているようなのです。即物的になるけれど、有名人と結婚をして、お城を所有して、子供が3人いて...、うらやましくないといったら嘘になるし、わざわざ読んで嫉妬するのもおかしな話だと思い、読むのを一度は躊躇したけれど、読んでみてよかった。

ゴクミを見習う

ゴクミは、国際結婚をした人、したい人はもちろんのこと、彼との関係や、旦那との結婚生活にマンネリしている人たち、すぐに恋人(旦那)と喧嘩してしまう人たちにも読んでみてもらいたい本。ゴクミは、単に現状に満足しているのではなくて、今の立場を確保するための努力、旦那様との関係を継続させる努力、家族を築き上げる努力をしていることが言葉の端々に見て取れます。海外で生活するということ、母国語ではない言葉で家族を築き上げていくことは、お金持ちであろうとなかろうと、美しい女性であろうとなかろうと、有名であろうとなかろうと関係なく、大変な面があることは否めないと思う。それをおくびにも出さず、「私は幸せ」といえる強さは、十分尊敬に値するのです。

このゴクミでは、ゴクミを尊敬できる部分を沢山知ることができただけではなく、素敵な彼との関係の築き方も教えてもらいました。次に、主人とけんかをしたら、読んで気持ちを新たにしようと考えています。

一つ残念だったのは、(本とは直接関係無くて出版社写真家やスタイリストの問題だと思うのだけれど)ゴクミの強さというか、凛とした女性らしさを示すような写真があまりにも少なかったこと。雅子妃が結婚直後に、まるで紀子様のためのようなドレス(淡いピンクや水色だったり、賢い女性ではなく、かわいい女のためのデザインだったり)ばかりだったのを思い出しました。