湊かなえ,告白,双葉社,2008.

告白は、友達に借りてしばらくほっておいたのだが、夜中眠れずに取り出して読んだ小説。単なる読書記録。

興味深いと思った点

ひとつの事件をさまざまな関係者の視点で描く告白は、帯にミステリーベスト10全国書店員が選んだ一番売りたい本などと書かれていて興味を誘う。小説は久しぶりだった。没入感を味わうことはなく、作者がどのように考えてこの筋書きを選んだんだろうとか、余計なことを考えながら読了した。第二章の「殉教者」が一番のお気に入り。担任の教師の熱血先生ぶり、その名前がウェルテルであること、冷めた語り手の口ぶり...一番普通っぽい語り手が、実は一番変わっているんじゃないかと思う。

病んだ人、精神的に参った人など、世の中にはたくさんいると思うけれど、作者は何を考えてこの小説を書いたのだろう。法律や裁判は、本当に社会の役に立っているんだろうか。