バイラル・ループ-あっという間の急成長にはワケがある

バイラル・ループ あっという間の急成長にはワケがある
は、現在の社会におけるソーシャルネットワーク(SNS)が、いかに社会に大きな影響を与えられる力を秘めているかを示しています。ソーシャルメディアは、既得権を享受するメディア産業を壊す力を秘めているという点で、意見のある若者には必読の書。

なぜ必読書か

感染の連鎖と訳されるバイラル・ループ、その本質は、

ある一人の人間によって検索・収集された情報が、その人間のソーシャルグラフに基づいてあちこちにばらまかれ、そしてそれによって水面に投げ込まれた石が波紋を広げていくような形で多方面へ広がっていく...

ことにある。

情報過多の現在、ある信頼のおける個人が情報や現象を取捨選択し意味づけをする「キュレーター」としての役割を持てるのであれば、このような個人は、現在のメディアに取って変わられることが予想される。私も、ちょっと考えてみるだけでも、面白い本を知っている人、面白いイベントを毎回探してくるなどのような女友達なんかの「個人」が、数人は思い浮かびます。旅行に行くのだって、レストランに行くのだって、もちろん雑誌も参考にするけれど、憧れの姉さんが良いというレストランなら☆がなくても行ってみたいと思う。知っている人じゃなかったとしても、(おバカなセレブなんかじゃなくて)そんな憧れのネットで知り合った人は沢山います。
そんな信頼のおける個人のフィルターに残った情報ソースを使った方が、資金繰り、親会社の関係、後援などの多くの縛りにあっているのが明白で、本来の役割を忘れているんじゃないって思わされるメディアよりも信頼できると考えても、不思議じゃないのです。

そのバイラル・ループの本質を知っているのと知らないのとでは、これからの情報選択も、情報流通もままならない、だからこそ、一読を薦めます。