田村次朗、一色雅彦、隅田浩司, 交渉学入門, 日本経済新聞出版社, 2007.

交渉学入門は、交渉学が協調作業支援につながると考え興味をもつようになったことから、入門書として手に入れたもの。ただ、交渉学という方法論の話ではなく、交渉術の話に終始しており、予想と大幅にずれた。

薦めない理由

物語と実践的なアドバイスにより構成されていて一見読みやすい印象を受ける。交渉においてどう行動すればいいかという指南が書かれており、明日から使いたい人には良いのかもしれない。ただ、私は薦めません。その理由は次。

  • 小手先のテクニックに終始している。ホワイトボードを使おう、相互理解が大事など。
  • 具体的な例が多数出ている割には全体的に曖昧な表現が使われている。
  • 理論的背景が松浦正浩氏の実践!交渉学に比べ稚拙。

交渉学(方法論)入門書としては、交渉学の基本的な考え方、方法、社会的意義が議論されている松浦正浩氏の実践!交渉学 いかに合意形成を図るか (ちくま新書)をお薦めします。