角田光代, 八日目の蝉, 中公文庫, 2007

八日目の蝉 (中公文庫)は、たまたま出会った方にもらった本。映画化された話や、プロットなどは見聞きしていたので、関心持って読んだ本。エンターテーメントの書籍として楽しめた。

考えたこと

産みの母親と育ての母の対比が興味深い。八日目の蝉 (中公文庫)を読んでいると、どちらが悪いのか、果たして子供を誘拐した女性が悪かったのか、分からなくなってくる。

子供を持てずに苦しんでいる人も大勢いるなか、子供をもって苦しむ人もいる。子供が欲しくて産んでも、虐待行為から逃れられずに苦しむ人もいる。子供がのびのびと育ち、幸せを感じていた場所として描かれるのが、昔ながらの共同生活を薦める田舎やカルト集団の中というのが、理解できてしまい、やるせない。