アビー・グリフィン、レイモンド・L・プライス、ブルース・A・ボジャック, シリアル・イノベータ「非シリコンバレー型」イノベーションの流儀, プレジデント社, 2014.

シリアル・イノベーター ─ 「非シリコンバレー型」イノベーションの流儀は、知り合いに勧められて購入し積ん読状態になっていたが、自分が最近悩んでいることの答えが見つかるような気がして、最近ようやく読み始め、2日かけて読み終えた。もう少し読み込めば、もうすこし、わかることも出てくるような気がする。

 大企業がいかにイノベーションを起こすことができるのか?それは、大きな問いである。というのは、大企業の企業文化とイノベーションの企業文化は大きく異なるからだ。システムとしてサポートすることができるのか、それは、...難しいらしい。

異端であるシリアルイノベータを生かすことができれば、上手くいく。そして異端を生かすためには、シリアルイノベータ本人が、社内政治を軽んじてはいけないということを理解するべきである、という点は、本書が述べる明確なメッセージのひとつであり、今まで述べられてこなかった点だろう。

多くの同様の書籍でオブラートに包まれている「では、理解を示さないマネージメント層をいかに理解させるか」は、本書においても特に解決策が示されているわけではない

いかに、シリアルイノベータを生かすか、いかに大企業でイノベーションを起こすかはまだまだ、大きな課題でありつづけそうだ。今後の勉強の必要性を感じつつ、読了したということで、とりあえず、第一回目の読書記録ということにしておく。

一点本筋と関係ない点だが、どうしても記録しておきたいことがある。イノベーションの事例として、某社の生理用ナプキンが挙げられていたが、本書で挙げられている製品は、私が「どうしようもなく好きになれない製品」だった。本書を読みながら、米国では成功事例かもしれなくても、日本製品の方がはるかにイノベティブで、利用者に求められるような製品だろうに、と考えてしまい、該当事例が挙げられるごとに、思考が妨げられた。事例は、イメージしやすいという点で実例が挙げられるのは望ましいが、意図する効果を上げられないことも多分にあるだろう。