まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか, ナシーム・ニコラス・タレブ . 2008.

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのかを読んだ。そして意味がわからず、なぜ高評価されているわからず途方に暮れている。この本は散文であり、エッセイであり、脈絡なく筆者の考えが展開されているとのスタンスで読めば、読めなくはない。

 評価されている本の、なにが良いのかわからないのはなぜかと考えてみると、色々思い当たらなくはない。私は、投資についてはほとんど知らない。ゆえに言及されているおそらく投資界隈で有名な人たちについても知らないので、推測して読み進めるしかない。

主張したいことはわかるし、おそらく数々の事例は、その主張をサポートしているのだろうとは思う。ただ、事例も知らないことだらけで理解の助けにもならない。それどころか、私にはなんの役にも立たなかったばかりでなく、不可解な謎の中に放り込まれた気分だ。

結局のところ、私は、ナシーム氏の文体に慣れることができなかった。論の進め方がとても散文的だった。もしかしたら、翻訳が読みやすくなかったのかもしれない。いや、これは散文であり、エッセイであるのだとすれば、単に私はこのエッセイストと反りが合わないというだけなのかも。たとえ、著名な経済学者だとしても。