Crazy Rich Asian, 2018.

初め馬鹿らしいタイトルだと思い、見ようとは思わなかったが、旦那から面白かったよ、と言われて閲覧。プロットとしてはとても単純だ。シンガポール大金持ちの息子Nickと恋に落ちた相手がNY大学の経済学の教授であるRachelNickが結婚式の出席のためシンガポールに戻る際に、レイチェルを連れていくことを決心。Rachelがいざシンガポールに行ってみると、なんとニックはシンガポール一の旧家の桁外れ金持ち息子であることが判明する。Rachelは周囲から嫉みやいわれのない批判をされ、さらにNickの母親からは結婚を大反対され。話は、典型的なシンデレラストーリなのだが、細かい中華系家族のシーンや織り交ぜられたストーリが興味深い。

 中華系の家族中心の考え方は、逆に新しい。家族の伝統を残すために餃子作りを家族全員でするシーンは、かつての法事の準備を思い出させる。どのようにしたら「続く」ものを構築していけるのか

We know how to build things to last

個人を優先するのではなく、家族が結束していることで可能になることがある。伝統は努力しないと継続していかない。伝統が重要であるということは、若い頃はわかりずらく、無くなりかけてからもしくは無くなってから、惜しまれることが目に見えるようだ。伝統の価値がわかるようになった時にはもう対処できない状態になっていたりする。いざ自分の周囲をみてみたとき、小さな家族であってもその伝統を後世に伝えるために、一族の長が歯を食いしばってでもしなくてなならないこと、できることがあるんじゃないだろうか。それが家族の強みになったり、個人の強みになることがある。

なぜ、これが面白いと思ったかというと、最近気になっている多くの日本の伝統工芸が抱えている課題と類似しているように思えたからだ。自分で好きな職業が選べるようになった代わりに、そして家が継ぐことを強要しないが故に、伝統が切れてしまう危機に陥っている。伝統技術を伝えていくことではなく自由を優先させる社会が100%が正解なのか、自由を追求する社会にいてやはり違うと思うようになってきている。

 

最初のポーカーや終盤の麻雀のシーンも素晴らしかったシーンだ。大学の講義ルーム、そして麻雀荘(<-訪問してみたい!)。ゲームセオリーを説明していた流れはイマイチわからなかったけれども。

麻雀は重要なライフスキルの一つである。negotiation, strategy, cooperationを学べる。

ふむ、長い間続いているゲームには何らかの意味があるんだなと。

他にも興味深い下りが多々あった。

If Nick chose me, he loses his family. And if he chose his family, he might spend the rest of his life resenting you. I dont want Nick to lose his mother again.

It is not my job to make you feel like a man. I cant make you something youre not.

どうやら原作があるらしいので、読んでみようと思います。