いま君に伝えたいお金の話, 村上世彰, 2018.

著者である村上世彰さんのインタビューを偶然読んでから、この人のことがとっても気になっている。村上ファンドが叩かれたことは記憶に残っていて、でも何がいけなかったのかわからずに、なんか良くないことをした人なんだろうなと漠然と考えていた。そんな時に見つけた「いま君に伝えたいお金の話」は子供向けの本ではあるけれども、(お金の教育を受けずに今)大人である私にとってとても良い入門書だった。お金にちょっと不安を感じている全ての人にオススメしたい。

 この本は「いま君に伝えたいお金の話」子供に向けた語りの形で書かれているけれども、全う至極なことが実直に書かれていて、しかも有言実行の人、成功している人だからこその真実味がある。自分で言うのが憚られる(別に私は成功してないから)ことでも、自分では真実だと考えていたことが、本書の村上さんの言質にとってサポートされたことがたくさんある。

私的な話になるが...、私の祖父母はそれなりに成功した人たちだったと思う。でも2代目(両親は長男ではないので家業は継がなかった)が、お金との関係がほとほと悪く、株で失敗、不動産で失敗。事業もうまく行ってないと思う。今は痴呆症の祖母の貯金を切り崩して(祖母以外の)自分の家族を養ってるんじゃないだろうか(祖母は次男の父が面倒を見ている)。何代も続いている家系がある一方、富が3代ですでに崩壊している我が家系は何が違うんだろうとしばらく考えてきた。

村上家と比べて、我が家は正直お金との関係を全く考えさせることもなく、教育してもいなかった。私にとって、単にお金はそこにあるもの、ちょっと前まで無尽蔵に湧き出てくるもの...と言う位置付けだった。だから我が家の人たちは、マネージすると言う感覚もない。そして、最悪なことに家族内でお金はタブーの話題だった。全く村上家とは比べ物にならない

正直自分は数字に強いとは思えないし、この本に書かれている「お金に強くなるための特訓」なんて経験値は小さな頃はほぼゼロだし、今も毎日の生活にどれぐらい反映させられるかわからない。頭が凝り固まって、さらに子供いてフレキシブルに動けなくなった今、今後お金の訓練がどれだけ役に立つまで育つか、ほんとわからないのだ。でも、これからの子供達がこれを少しでも理解してくれてお金のバランス感覚を持ってくれたらと切にねがうのである。

大人の私は無理でもお金と上手に付き合う子供増えて、世界がもっと良く回ってくれたらいいと思う。村上さん応援してます。そして私も自分の子供でできる限り実行してみたいと思います。