Crazy Rich Asian, 2018.

初め馬鹿らしいタイトルだと思い、見ようとは思わなかったが、旦那から面白かったよ、と言われて閲覧。プロットとしてはとても単純だ。シンガポール大金持ちの息子Nickと恋に落ちた相手がNY大学の経済学の教授であるRachelNickが結婚式の出席のためシンガポールに戻る際に、レイチェルを連れていくことを決心。Rachelがいざシンガポールに行ってみると、なんとニックはシンガポール一の旧家の桁外れ金持ち息子であることが判明する。Rachelは周囲から嫉みやいわれのない批判をされ、さらにNickの母親からは結婚を大反対され。話は、典型的なシンデレラストーリなのだが、細かい中華系家族のシーンや織り交ぜられたストーリが興味深い。

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まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか, ナシーム・ニコラス・タレブ . 2008.

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのかを読んだ。そして意味がわからず、なぜ高評価されているわからず途方に暮れている。この本は散文であり、エッセイであり、脈絡なく筆者の考えが展開されているとのスタンスで読めば、読めなくはない。

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Madame, 2017

見終わった後に残る後味がなんとも言えず悪く、数週間経つのにアマタの片隅に、不燃焼感が残って仕方ない。

アナとボブというアメリカ人でパリの豪奢なアパルトマンに住む富豪カップルが、エクスクルーシブな人たちを集めた自宅でのディナーパーティを企画する。ただ、参加者が十三人というなんとも縁起のよくない数になっていたことに気が付いたアナは、メイドのマリアにスペインの富豪に扮して参加することを強要する。ディナーの席で、マリアは隣に座るデービットという美術品ディーラーの上流階級英国紳士の興味を引き、自分の身分を隠したまま付き合うことになるのだが...。

 

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影山知明. ゆっくり、いそげ-カフェから始める人を手段化しない経済. 大和書房. 2015.

知り合いになんかいい本ないですか?と尋ねた時に勧められたこの本、ゆっくり、いそげ ~カフェからはじめる人を手段化しない経済~。よかった。とりあえず、たくさんの人に読んでほしい。

「言ってることは綺麗事」というのは簡単だけれども、実際に数年の実践の蓄積があり、それなりの結果が出てきているところに説得力がある。特に、賛同するいくつかの視点を列挙してみたい。実は、いくつかの視点は、自分がやっている組織でやってみていて、でも、うまく説明できなくてモヤモヤしていた。それらをうまく言語化してくれていて、単純に嬉しい。

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海猫沢めろん. キッズファイヤー・ドットコム. 講談社. 2017

荻上チキのセッションでゲストとしてきていた海猫沢めろんさんのキッズファイヤー・ドットコム。あ、この人、男だったんだと言うちょっと意外性が影響して、トークをきちんと聞いたのがきっかけで、読んでみた。

文中に描かれている近未来の政策をみてると、私を含め海猫沢さんの世代が感じている世代間の不平等感が如実に現れている。

「優先席に若者が座って、俺たちみたいな高齢者が除け者にされる...チルドレンファーストってのは、ありゃ俺たちに対する嫌がらせだ。年金を稼ぐのは若い世代だからって、電車やバスから高齢者の優先席を無くしやがるわ...」今、都心はかなり高齢者が生きづらい。...老人達のもともともっていた権利をもぎ取って、若者と子育て層にまわすものだからだ。団塊世代とか言われていた高齢者は結構しぶとくて、定年過ぎても働くし、リタイアするつもりが全くないらしくて、おじいちゃん達が若いサラリーマンに混じって働いている姿はよく見かける。

現在の社会は、団塊世代が作りあげてきた社会でもある。生きづらい社会にしてしまった責任は、まわりまわって団塊世代にある。

村上龍. 人生における成功者の定義と条件.NHK出版. 2004.

人生の区切りを迎え、これからどうしようかと考えていた時に、本棚に積まれて読まれてなかった本書人生における成功者の定義と条件を発見。人生の方向性を定めたい人、見失いかけている人に是非読んでもらいたい本書。

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