瀧本哲史. 2020年6月30日にまたここで会おう 瀧本哲史伝説の東大講義. 星海社新書.2020

2020年6月になろうとする数ヶ月前に本書籍は出版された。著者として名前があがるのは瀧本哲史さんで、2019年に永眠している。

 瀧本哲史という名前は折に触れ見ていた。「僕は君たちに武器を配りたい(2011)」という書籍が発売された頃から見始めたように思うから、出版された2011年頃だろうか。「武器を配る」という社会情勢を顧みもしない生々しい言葉を選んだところや、その後出版された「君に友達はいらない(2013)」などの煽るような書籍タイトルには抵抗しか感じなかった。そして麻布高校、東大法学部卒、マッキンゼー京都大学客員准教授、エンジェル投資家といったような肩書きと偉そうな顔つき口ぶりに閉口して、食わず嫌いもいいところ、瀧本さんの本を見たこともなければ、映像を探してみたこともなく、ただただ「なんだか気に食わないやつ」というカテゴリーに入れていた。

 2020年6月30日にまたここで会おうを手に取ったのは偶然だ。そして、やっぱり話し口は偉そうだけれども、メッセージがとてもまともで、起こしている行動が地に足ついているところに衝撃を受けた。

行動せよ

レトリックを学べ

君たちが正しい選択をし続ければ世界は変わる

常に相手の利害を分析せよ

仲間を探せ、目的のためにつながれ!

今、私が考えているのは同じようなことだ。パラダイムシフトは世代交代で起きる。我々40−50代は捨て馬でもいい。見込みのある若者を支援して10年後、20年後に、「日本変わったね」と言えるような基盤がつくれないだろうか。この東大講義が8年前に実施され、そして瀧本氏が述べていることがそのまま今の講義でも使えそうなぐらい社会が変わってないことを思うと、失われた10年に背筋が寒くなる思いだ。

でもやっぱり。。。「再集結せよ!」とか、戦時中やテロリズムを思わせるようなアジテーションには抵抗を覚える。

参考:大人になったコペルくん