勝間和代のインディペンデントな生き方実践ガイド 勝間和代 ディスカバートゥエンティワン 2008

勝間和代さんの書籍については、複数読んできていますが、今回は偶然日本食材店の書棚で発見し、勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド (ディスカヴァー携書 022)をお借りしてきました。(最近、書棚ができて、最新の本がおいてあります。帰ってこない本も多いと店主の方はおっしゃっていましたが、それにもめげず貸してくださるのです。)

勝間和代氏の本を薦める理由

何度か本サイトで紹介していますが、どれも示唆に富んでいて秀逸です。なぜ興味深いと思えるのか、理由の一つは、読みやすさ・理解しやすさであると思われます。本の構造が、米国の作文の授業で習うようなわかりやすい章立てになっており、日本の国語の時間であれば、テストで要求されるような「著者は何を言いたいのか」という点を、わざわざ著者自ら一覧にしてくれているのです。「必要なのはXXとXXの二つ。」といったように。外資系で文章作成を訓練されたと本人が言っているように、米国の文章作成訓練の結果が著作にも見て取れます。
二つ目に、「年収600万を目指せ」などと具体的なばかりでなく、「笑顔を絶やさない」など実現可能そうな提案がされていることも、読んでいて自分にフィードバックしやすく、すぐになにかを始めたい人にはもってこいの書籍です。また、以前にも述べましたが、三点目として、個人的に、参考文献が挙げられている点が非常に気に入っています。気になったキーワードに関して、自分で書籍を探すことはできますが、「勝間氏が紹介している本」ということで、とりあえず読むのが無駄な駄本ではない、時間をかける意味のある、ある程度のレベルの本でであると、わかるからです。
欄外の理由として、この本は、「男性の選び方」など、あえてこの種の書籍では触れられないことの多い話題にも踏み込んでいるところも挙げておきます。

p168 男選びは最初の一回で成功することはまずない。...とりあえず、大好きなパートナーを作って、一緒にすごしてみてください。どんどん結婚もしてみてください。そうすると、どうしても一定の確立で別れは生まれます。

勝間和代のインディペンデントな生き方 実践ガイド (ディスカヴァー携書 022)で注目の点

本書で特に私が興味深いと思ったのは次の点・箇所です。

丈夫な心を作るためにアサーティブという性格を持つ重要性。
私は個人的にアメリカで、このアサーティブな人に多く出会ってきました。「自分も相手も大切にする技術」というのは、まさにあたっていると思います。出てくる例は、良くありがちな上司に急な残業を依頼された。しかし自分にも用事がある。というケース。断ることで、相手や自分を不快な気持ちにする攻撃的態度ではなく、また、自分の予定をあきらめる防御的態度でもなく、「第三の道を提案」し、長期的な良い関係を築くためにwin-winのを築く方法、と定義しています。

防御的に振舞った人は、今日は良いかもしれませんが、鬱々と不満がたまっていきます。攻撃的に振舞った人は、次からの仕事にしこりを残すでしょう。アサーティブに振舞った人だけが、その上司との長い関係を築くことができます。アサーティブというのは、自分も相手も大事にする技術だと考えてください。こういった一見他人のため、でも実は自分のため、互いのため、みたいな技術は身につけると、とてもこころが楽になります。


「集団の知恵」という考え方。
本書では少々大雑把な説明しかされていないのですが、これは、私の専門にも関係してくるということもあり、このように一般には捉えられているのか、と興味深く読みました。4章で「学び続ける力を磨くため、コミュニティーラーニングの一員となる」ことを進めていますが、実は、どのコミュニティに属するかというのもとても大切で、単に集団に属するだけでなく、より知的好奇心を満足させられるグループで学ぶことが大切だと考えています。環境が大切とは、よく言われることですが、「集団の知恵」を得る環境も、多種多様です。また、近年は専門化が進んでいるために、一人が持てる能力は限られてきます。一つの困難なことを達成するには、多くの人の力が自然と必要になってきているようです。勝間和代氏の見方のなかでは、「なかったら自分で作ってしまえ!」というくだりが、共感できます。

p119 一人一人よりも集団で考えたほうが良い知恵がでる。

本文の合間に挿入されているコラムも、思わず「くすっ」と笑ってしまうものから、「はっ」と気づかされるものまで息のつかせない、学び満載の一冊です。