畑村陽太郎,創造学のすすめ,講談社,2003.

創造学のすすめ
工学系の先生が、書いた創造学についての書籍ということで、工学系の人たちにより読みやすい形になっています。日本の川喜多二郎のKJ法や梅沢忠雄氏の知的生産の技術、MIT教授のThe Principles of Designなどを参考文献として挙げており、必ずしも工学に基づく学問ではない場所を根拠に、工学的視点に立った創造学を展開しています。

おわりにで述べられていますが、今まで日本が経済的に成功してきた背景には模倣型社会があり日本の産業は模倣から生まれた。しかし今後は、創造型社会でなくてはならないという点に、著者の主張があります。創造の場は、モノづくりばかりではないはずなのに、本書では、モノづくりという枠組みから出られていないようで、その点は危惧します。