マーガレット・グリーンバーグ, セニア・マイミン, ポジティブ・リーダーシップ, 草思社, 2015.

旦那がすごく良かった!といっていた、ポジティブリーダシッップの本だと間違えて読んだのがこのポジティブ・リーダーシップ: Profit from the Positive。今までにないほど、読んで時間を無駄にしたと思った一冊。

言っていることは特に悪くないと思うし、その通りだと思う。「ポジティブ心理学はポジティブ思考とは違う」とかの始まりは悪くなかった。アドバイスの「時間をかけて1日、一週間、一ヶ月の計画を立てよう。また計画を立てる際には、トリガーを設定する」とかも、重要なことを言っていると認めよう。

ただ、なぜ、ネガティブな印象を受け、読み進めたいと思わなかった。それは、訳のせいなのか、それとも原作を直訳したせいなのかわからない。

 ただ、一つ言えるのは、言葉の選び方(原語に忠実なのかもしれない)が、理解に苦しむものだった。「自分を騙して」「儲ける「リーダ」って」「相手を変えるか、ダメにするか」「あえて裏口を利用する」など、読みようによってはどうとでも取れる言い回しやあえてその用語を選ばずとも良いのにと思わされる洗練されない言葉の数々。目を引くような言葉遣いをわざとして、印象を残すあざとい戦略にしか思えない。「騙す」という言葉から喚起されるようなことを著者は推奨しているわけでもなく、間違った印象を与えているにすぎない。本来の話の中心課題から少しずつずれていく印象と、活字として現れる文字列の乖離が、すでに一章を読み終わった後には、修復不可能なほど広がっていた。

文末の自己紹介文も、本文と全く関係ない日本とのつながりが記載されているなど、クオリティの低さと、関係ないところでのポイント稼ぎを狙っているようなあざとい戦略を露呈している。

期待値が高かったからだろうか。読了後の、印象は非常に残念なものだった。