資本の世界史, ウルリケ・ヘルマン, 太田出版, 2015.

ドイツ発ベストセラーの資本主義を考えるための必読書、という帯に興味惹かれ手に取って読んでみた。経済や金融をもっと理解したいけれどもどこから手をつけたらいいのかわからないという人に教科書としておすすめしたい。

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落合陽一, 日本進化論, SB Creative, 2019.

落合陽一さんを数ヶ月前に初めて知った。たまたま読んだ対談に関心を持ったのがきっかけだったが、その対談で語られていた「縮小する社会」(←あ、もうそのセリフを公メディアで言っていいんだ!)に関心を持ち、未来図を描いているという本書日本進化論を読んでみることにした。

提唱している『ポリテック』という言葉は、正直何を示しているのかすぐには分からず意味を理解するのに時間がかかる。けれども、テクノロジーでどのように今の社会課題に取り組めるかを考えることが重要であるという点は大いに賛成するところ。議論されている多くの項目はよく見知った課題であったし、解決策も見知ったものが多いように感じた。ただ、より一般に周知していくこと、わかりやすく噛み砕いて統計などを示しながら伝えていくことの重要性は軽視されるべきではない。

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いま君に伝えたいお金の話, 村上世彰, 2018.

著者である村上世彰さんのインタビューを偶然読んでから、この人のことがとっても気になっている。村上ファンドが叩かれたことは記憶に残っていて、でも何がいけなかったのかわからずに、なんか良くないことをした人なんだろうなと漠然と考えていた。そんな時に見つけた「いま君に伝えたいお金の話」は子供向けの本ではあるけれども、(お金の教育を受けずに今)大人である私にとってとても良い入門書だった。お金にちょっと不安を感じている全ての人にオススメしたい。

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電通と博報堂は何をしているのか. 中川淳一郎, 星海社, 2017

ちょっと電通博報堂が気になっていた時に偶然見つけた本、電通と博報堂は何をしているのか (星海社新書)。あまり私が知りたいことは書いてなくてその意味ではがっかりだったし、予想外に二つの会社に同情を感じることになってしまった(いやー、本当に働いている人たちにとっていい会社なんだな!)。野次馬根性で読むのはいいかもしれないけれども、恨みがあってどうにか敵討ちをしたいとか、秘密を知りたいと思ったらあまり読む意味ない。

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Crazy Rich Asian, 2018.

初め馬鹿らしいタイトルだと思い、見ようとは思わなかったが、旦那から面白かったよ、と言われて閲覧。プロットとしてはとても単純だ。シンガポール大金持ちの息子Nickと恋に落ちた相手がNY大学の経済学の教授であるRachelNickが結婚式の出席のためシンガポールに戻る際に、レイチェルを連れていくことを決心。Rachelがいざシンガポールに行ってみると、なんとニックはシンガポール一の旧家の桁外れ金持ち息子であることが判明する。Rachelは周囲から嫉みやいわれのない批判をされ、さらにNickの母親からは結婚を大反対され。話は、典型的なシンデレラストーリなのだが、細かい中華系家族のシーンや織り交ぜられたストーリが興味深い。

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まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのか, ナシーム・ニコラス・タレブ . 2008.

まぐれ―投資家はなぜ、運を実力と勘違いするのかを読んだ。そして意味がわからず、なぜ高評価されているわからず途方に暮れている。この本は散文であり、エッセイであり、脈絡なく筆者の考えが展開されているとのスタンスで読めば、読めなくはない。

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