ビジョナリー・ピープル ジェリー・ポラス等 EIJI Press 2007

1997年に多くの書評が書かれたビジョナリー・ピープル

最初に難を言うのもどうかと思いますが、訳が非常に読みにくいと感じました。しかしながら、言っている内容自体は、非常に示唆に富むものであったと言えます。現代において、「成功」が何を示すかということは、定義がされにくくなっているということは、様々な場で、言われているようです。このビジョナリー・ピープルは、「成功」について、多くの成功者と言われる人への定性的インタビューをもとに語っています。

自分に取って、何が「成功」といえるのか、それは自分で探し出すしかないし、ビジョナリーピープルは、一度挫折したからといってあきらめない。NHKのプロフェッショナルでもよく見られるように、名を残すすばらしい仕事をした人たちは、一度は1年もしくは10年以上も不遇の時期を送っている。それでも、あきらめずに、自分の信じる道を突き進み、結果を出していることがわかります。

p22 最も注目すべき結果の中に、成功する人は自分の信条や仕事をまっとうしようとして、他人の同意を求めることはない、という確かな現実があった。彼らには社会的な圧力に屈せず、そうした圧力を跳ね返し、率先して取り組む大胆さがある。他の人から好かれようとするよりも、自分の好きなことに執念を燃やしている。彼らは、たった一度の挫折でうろたえたり落ち込んだりもしなければ、ものごとがうまくいかなくなったときに、他人に責任を押し付けるようなこともしない。逆に、自分達が追い求める成果を上げるのに最も効果のある仕事に、あくまでも最優先で取り組むのだ。成功を収めている人たちはまた、<自分がしていることに愛情をもつ>ことが、成功するための必要条件だと言っていた。

p30 辞書の(成功の)定義のどこを見ても、意義や達成感、幸福、変わらない人間関係という意味の記述はない、ということだ。生き甲斐である天職に没頭している時全身に生命の躍動を感じること、という記述等全く見当たらない。世界に貢献するための遺産を生み出すという考えも皆無だ。ところが、これらはみな、永続的な成功をおさめている人たちが人生や仕事で最も大切にしている、と主張する現実の姿等だ。

p37 成功とは、いつまでも続く人間関係を築き、相手に奉仕することだ。

p159 「心から満足するためには、自分が立派だと信じる対象に打ち込む以外に道はない」とアップルの共同創業者であるCEOのスティーブ・ジョブスは語っている。これは 2005年のスタンフォード大学の卒業式で行った心のこもったスピーチで、今では広く知られるように会った。
「立派な仕事を成し遂げるための唯一の方法は、今取り組んでいる仕事を好きになることだ。好きななれる仕事がまだ見つからないというなら、探し続けよう。このことは、自分の仕事にも愛する人にも当てはまる。愛に結びつくあらゆるものの場合と同じように、それを見つけたときはそれとわかるものだ。そして、どんな立派な人間関係でもそうであるように、年月が流れるにつれて、それは次第に好ましい物になっていく。だから、見つかるまで探し続けよう。あきらめないことだ。」