櫻井よしこ, 明治人の姿, 小学館, 2009.

明治新政府時代に、アメリカに渡った「武士の娘」杉本えつ子の生き様を読み解く。明治に生きる日本人の姿が、いかなるものであったか、櫻井よしこが語る。上流階級であった家老の家柄の女性を対象としていることもあり、その時代の日本人の良い面を強調しすぎている観がある。

明治に生きた女性の考え方、美しい生き様を知ることは新鮮であった。
しかしながら、読みはじめから感じていた古き佳き「美しい日本」が、客観性を欠きアンバランスであるというイメージは、読後も消えないまま。