村上春樹, 1Q84, 新潮社, 2010.

1Q84 BOOK 1, 1Q84 BOOK 2, 1Q84 BOOK 3は、言わずと知れた村上春樹の2010年の最新作。正直、村上春樹ノルウェイの森 (講談社文庫)を読んで以来、あえて読んでいなかった作家。今回読んでみたのは必要にかられたからだけれど、意外な発見がいくつかあった。備忘録として記録。

新たな発見

1. 10年前は、性的な描写などをひどく陰湿に感じ、拒否感を覚えていたけれど、今回は、恋愛やセックス描写から、この人は、素敵な恋愛をたくさんしているんだろうなと思わされた。実際にはどうなのか、今まで関心を持ってみてきた作家ではないのでわからないけれど。

2. Book1 の記述に共感を覚えた。作家が一つの作品を書く時、とにかく書き、その後何度も推敲する。最終的には7割ぐらいにまで落としつつ洗練されていく、というくだりがあるが、村上氏もそのように作品を練っているのだろうと思わされた。科学論文の執筆プロセスと非常に類似している。

3. 非常に純文学的な、いかにも癖のある読者好きしそうな、描写がこれでもか、というぐらいちりばめられている。

それでも、欧州を中心になぜここまで人気があるのか、不明。これを今後解明したいと思う。